川上氏:
例えば,詰め将棋/詰め碁ってあるじゃないですか。あれってどういうゲームかといえば,5手先7手先13手先を読むようなゲームですよね。だけどそういうロジックって,実はあんまり現実社会には出て来ないものじゃないですか。
例えば今,「思考を要求するゲーム」と言われているものにしたって,その多くは3手先くらいを読むものでしかない。ブログとかで話題になるようなTipsだって,受けがいいのは3手先までのロジックなんですよね。
4Gamer:
現実社会で10手先を読めないのはなぜでしょうか。
川上氏:
10手先を読むというのは,すべての情報が公開されていて,かつ交互に一手ずつプレイすることが保証されて,はじめて可能なことだからですよ。現実にある問題というのは,さまざまなパラメータが膨大にあって,その全部を把握仕切るのは不可能。だから,現実社会では3手先を読むのが限界なんですよ。
4Gamer:
そもそも判断の根拠となるデータ/情報を正しく集めるのも難しいですよね。
川上氏:
そうです。一個一個のパラメータについても,本当に根拠として成立するのか検証が必要なんです。そのうえで,もっと広く(社会)全体も見なければならない。……というか,みんな必要以上に単純化して考えたがるんですけど,現実のゲームって,何も一つずつプレイしているわけではなくて,どちらかというと,常に複数のゲームを同時に動かしているような状態なんですよ。